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新AIアシストシステム PUSH ASSIST 2.0:

2020/08/11

クリス・チャップマン 著
 
長谷川 昭彦・長谷川裕 訳

 PUSHでの最初のトレーニングサポートシステムは2015年に作成されました。私たちの知る限り, これは日々のVBT(Velocity Based Training)を推進するアシスタントコーチとして機能した最初のAI(人工知能)エンジンでした。ウエイトの挙上速度に基づいて特定の適応(最大筋力・パワー・スピードなど)を達成するために, レジスタンストレーニング中にどの負荷を使用するかを提示するものでした。

そのシステムは時代を先取りしていましたが, PUSH1.0のいくつかの制限と, システムの運用にとって必須であるべき科学的根拠が確立されていなかったことから, 開発を一時停止することになりました。

それから月日が流れ2020年, 世界中でのVBT研究情報の急増と相まって, 日々のトレーニング環境に高品質のデータを提供できる, AIエンジンのアップデートバージョン「Assist2.0」をPUSH社がリリースする時が来ました。

 

Assist 2.0は, PUSHアプリVer7に搭載された「推奨負荷エンジン」と「トレーニング目的適合率」のパフォーマンスメトリックという2つで構成されています。

  1. 推奨負荷エンジン

 推奨負荷エンジンは, 「トレーニング目的」またはコーチ/アスリートがトレーニングで改善させたい要素に対応しています。その日の最初のセットを開始する前にトレーニング目的を選択することで, セット後に次のセットで使用する推奨負荷を提案します。目的に対してウエイトの挙上速度が遅すぎる場合は, 重量を減らすよう提案します。逆に, ウエイトの挙上速度が速すぎる場合は, 重量を追加するように提案します。

 

 PUSH Assist 2.0の科学的根拠は, ダン・ベーカー博士による数十年にわたる研究を含む, これまでに発表された科学文献(1-11)から引用されています。

※科学情報と方法論についてさらに詳しく知りたい場合は, 世界各地で開催されているダン・ベーカー氏のVBTワークショップを受講してください。

 

 ただし, Assist 2.0は, VBTの理論を完全に理解しているかどうかに関係なく, 誰にでも役立つものとなっていまます。ターゲットとするトレーニング目的を選択するだけで, 目標速度が提案され, 前のセットの結果に基づいて次セットの使用負荷重量が推奨されます。 PUSH Assist 2.0は, これらの提案を行うことで知識のギャップを埋めることができるため, 必要なのは正しいフォームでの全力挙上のみとなります。コーチの立場にとってみるとプログラムの詳細ではなく, アスリートそのものに目を向け考える, というコーチングに集中できます。

この重量を推奨するという機能は, 個々のプログラムの手動計算が不要になるため, 大規模なグループのトレーニングにも役立ちます。VBTを実践することに慣れていないコーチだけでなく, 既にVBTのコンセプトに精通したエキスパートにとっても, この機能を使用し, さらにPUSHポータルでの詳細な管理を通して, ますますVBTの知識を深めることができます。

 

前セットの挙上速度を基に重量を調整するという方法を実践するもう1つの利点としては, これまで負荷設定の基準として用いられてきた1RM(最大挙上重量)自体が日々15%まで変動する可能性があるためです。 挙上速度を基にして重量を調整して目的に合わせることにより, パフォーマンスの準備性や疲労の変動を考慮することができます(5,12)。推奨エンジンの重要な役割は, 個人のコンディションとトレーニング目的に合わせたトレーニングを実施できるように, 負荷強度をコントロールすることです。

 

2. トレーニング目的適合率スコア

 セット終了時に表示されるこの項目は, 単純なパーセント値として算出され,表示されます。この値の80%を占める要素は, 選択されたトレーニング目的(最大筋力-パワー-スピード)において「指定された速度範囲内で挙上できていたかどうか」です。セット内のすべての挙上がゾーン内であった場合, この時点で適合率80%となります。

残りの20%の要素は, セット内で挙上速度がどの程度安定しているかという一貫性の評価であり, セット内の全レップが全く同じ挙上速度の場合, 20%となります。この「速度の一貫性の評価」は, セットの質の評価として追加されました。トレーニングの量や疲労による速度の低下よりも一貫性に重点を置くためです。これは, 初心者と経験者を分けるための指標でもあります。トレーニングの技術と能力が高まるにつれて, 結果(挙上速度)のばらつきが減少し, トレーニング目的適合率スコアが増加します。セット内でより大きな速度低下をあえて行う場合は, この適合率スコアを無効にするか, 無視して頂いて構いません。

トレーニング目的適合率%

 =1-⦅0.8 x (推奨速度範囲内のレップ数 / セット内の合計レップ数) + 0.2 x (1-セット内の標準偏差)⦆

 

PUSHアプリは時とともに進化し, トレーニング量のコントロールや速度低下などの, より高度な推奨事項を備えた次のバージョンをすでに構築し始めています。また, 個々のデータを考慮に入れ, そのデータに基づいて速度ゾーンを調整およびカスタマイズするようになるでしょう。最新の科学と人工知能を活用することによって, 効果的かつ効率的なトレーニングを実現することができるのです。

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  1. Baker, D. (2019). Velocity Based Training Workshop Course Manual. 
  2. Balsalobre-Fernandez et al. (2017). Load-Velocity Profiling in the Military Press: Effects of Gender and Training. Int. J. Sports Sci & Coaching. doi: 10.1177/1747954117738243
  3. Castillo, F. et al. (2011). Maximum Power, Optimal Load and Optimal Power Spectrum for Power Training in Upper Body: A Review. Rev Andal Med Deporte. 2(4).
  4. Garcia-Ramos, A. et al. (2019). Reliability and Validity of Different Methods of Estimating the One-Repetition Maximum During the Free-Weight Prone Bench Pull Exercise. J Sports Science. https://doi.org/10.1080/02640414.2019.1626071
  5. Garcia-Ramos, A. et al. (2019). The Load-Velocity Profiles of Three Upper Body-Pushing Exercises in Men and Women. Sports Biomechanics. doi: https://doi.org/10.1080/ 14763141.2019.1597155
  6. Hughes et al (2019). Using a Load-Velocity Relationship to Predict 1RM in Free-Weight Exercise: A Comparison of the Different Methods. J Strength Cond Res. 9(33).
  7. Lake, J. et al. (2017). Comparison of Different Minimal Velocity Thresholds to Establish Deadlift One Repetition Maximum. Sports 5:70. 
  8. Munoz-Lopez et al. (Perez-Castilla et al. (2017). Load, Force and Power-Velocity Relationships in the Prone Pull-Up Exercise. Int J Sports Phys Perf. doi: https://doi.org/10.1123/ijspp.2016-0657
  9. Perez-Castilla et al. (2019). Validity of Different Velocity-Based Methods and Repetitions-to-Failure Equations for Predicting the One Repetition Maximum During 2 Upper-Body Pulling Exercises. J Strength Cond Res. doi: 10.1519/JSC.0000000000003076
  10. Ruf, L., et al. (2018). Validity and Reliability of the Load-Velocity Relationship to Predict the One-Repetition Maximum in Deadlift
  11. Spitz, W.R. et al. (2019). Comparison of Different Minimal Velocity Thresholds to Establish Deadlift One Repetition Maximum. J Strength Cond Res 33(2): 301–306.
  12. Padulo J, Mignogna P, Mignardi S, Tonni F, D'Ottavio S. (2012). Effect of different pushing speeds on bench press. Int J Sports Med. 33:376-380.

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