GymAwareを用いた研究論文のご紹介 【リアルタイムフィードバックの重要性】
2019/08/06
ウエイトトレーニングにおけるスポーツ科学
GymAwareを用いた研究論文のご紹介 【リアルタイムフィードバックの重要性】
【リアルタイムフィードバックの文献紹介】
今回の投稿は、トレーニングにおけるスピードのリアルタイムフィードバックに関する研究をご紹介致します。
NSCA:The Journal of Strength & Conditioning Research: February 14, 2018掲載
【タイトル】
The Effect of Augmented Feedback Type and Frequency on Velocity-Based Training-Induced Adaptation and Retention
【著者】
Nagata, Akinori; Doma, Kenji; Yamashita, Daichi; Hasegawa, Hiroshi; Mori, Shuji
この研究は、大学ラグビー選手37名を対象として、 どのようなフィードバック方法がジャンプスクワットのパフォーマ ンス(リフティングスピード) 向上にとって最も有効なのかを調べたものです。
選手は以下に示す4種類のフィードバック法によって分けられ、 それぞれ4週間のトレーニング効果と全トレーニング期間終了後の 保持効果が比較されました。
・即時フィードバック群: 1レップごとに平均速度の数値をリアルタイムフィードバックする 群(n = 9)
・平均フィードバック群: 各セット終了後にそのセットの平均速度をフィードバックする群( n = 10)
・視覚フィードバック群: iPadを用いて動画のみをフィードバックする群(n = 10)
・フィードバックなし群:なにもフィードバックしない群(n= 8)
どの群も、 ウォーミングアップ後に30kgの重量を用いたジャンプスクワッ トを行い、5レップ×3セットでレップ間の休息は15秒、 セット間の休息時間は2分でトレーニングを行いました。
選手には常に全力で跳躍するように指示ました。
それぞれ週2回のトレーニングを4週間継続し、 1セット目の5レップの平均速度で比較したところ、 トレーニング開始直後では、 即時フィードバック群が他の群よりも5% 水準で有意に大きな値を示しました。
トレーニング開始4週間後の値と全トレーニング期間終了10日後 の平均挙上速度の変化を効果量(ES)で見ると、 即時フィードバック群が最も高く、 トレーニング効果の保持効果が高いことが示されました。
また、視覚フィードバック群とフィードバックなし群では、 トレーニング終了後10日目の値はトレーニング開始直後の値に比 べての大きく低下していることがわかりました。
以上の結果より、著者らは、 スクワットジャンプのトレーニング中に1レップごとのリアルタイ ムフィードバックを提供することは、 ジャンプパフォーマンスを最適化することが明らかであり、 トレーニングおいては、 速度計測ツールを使用することは有益であると結論付けています。
この研究から、 常に1レップごとに数値をフィードバックするというシンプルな手 法で、 選手自身の最大努力でのトレーニングを促進し高いトレーニング効 果を得ることができ、 さらにパフォーマンスの保持効果も高まることが示唆されています 。
選手でいられる限られた時間の中で、 さらに限られたトレーニングの時間を無駄にしないために、 様々な研究で実証されている挙上速度計測、そして「VBT※」 で効率の良いパフォーマンス向上を目指しましょう!
今回使用された機器はこちらです。
GymAware
http://sandcplanning.com/solution/category/detail/?cd=1
※VBT:Velocity Based Training= ウエイトの挙上速度を基準として負荷を調整するトレーニングの方法。最大挙上重量(1RM)の% を基準とした従来の方法より確実に目的に応じた負荷設定が可能。