VBT重要語句一覧

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VBT重要語句一覧

2021/03/02

VBTで使用される言葉

VBT重要語句一覧

 

 

 

急速に普及しているVBTにおいて、下記の語句を理解することは非常に重要となります。

【VBT】

VelocityBasedTrainingの略で、バーベルやダンベル等の挙上速度を基にして使用重量、レップ数、セット数、休息時間を調整するトレーニング手法。対して従来の「測定した1RMの%でトレーニング重量を決める」方法をPBT:Percent Based Trainingという場合もある。VBTは従来のPBTの「1RMが日々大きく変動する」という問題点を解消し、日々のコンディションに合った負荷設定ができることから、世界中のトレーニング現場で導入されている。

 

類語:Velocity Based Resistance Training

 

【MVT・最小速度閾値】

Minimum Velocity Thresholdの略で、1RMを挙上した時の挙上速度であると同時に、3RMの3レップ目、5RMの5レップ目など、挙上に失敗するひとつ手前のレップの挙上速度でもあり、これらはほぼ一定になる。種目によって若干差があり、トレーニング経験によっても差が生じる(トレーニング経験が豊富なほど、MVTはより遅くなる)。1RMを正確に推定するためにはMVTを実測する必要があるが、一般的にはベンチプレスで0.20m/s、スクワットで0.30m/sなどの数値を当てはめる場合が多い。

 

【推定1RM】

実測ではなく挙上速度から1RMを推定する方法により得られた重量値。軽負荷重量で挙上速度を計測しながら全力で挙上を行い、重量を徐々に上げながら速度計測を繰り返す。重量が増えると速度が直線的に落ちるため、ある程度1RMに近づいたらMVTで挙上できる重量が算出できる。Excelのトレンド関数を使用する他、各種VBTデバイスには推定1RMを算出する機能が付いている場合がある。

5セット以上で1RMの8割程度まで計測することで精度が高くなる

※1RM=最大挙上重量

 

【Load-Velocity Profile:LVP】

推定1RM測定のような手法によって得られた「負荷強度または負荷質量」と「挙上速度」の関係をグラフ化したもの。トレーニングによって1RMが変化しても個人間でLVPは大きく変化しない。種目によっては2点法を用いて1RMの45%付近と80%付近の2セット行うことで高い精度で算出することができる。

 

【平均速度・ピーク速度】

バーベルの挙上速度の種類で、コンセントリック局面全体の速度の平均を「平均速度」、コンセントリック局面中の瞬間的に最も高くなった速度を「ピーク速度」と呼ぶ。VBTで一般的に使用される速度-負荷ゾーンは平均速度を基にしている。クイックリフト系種目は瞬間的な速度を向上させる目的から、ピーク速度を用いる場合が多い。

 

【VBTデバイス】

VBTでは挙上速度を計測するために何らかの機器を必要とする。PUSH2.0やBarsenseiやVmaxProは加速度計とジャイロスコープが内蔵された慣性計測センサー(IMU)である。GymAwareやFitrodyneはケーブルをバーベルに装着するタイプのリニアポジショントランスデューサー(LPT)である。その他、レーザーで床とバーベルの距離を計測するレーザーセンサーであるFLEXやバーベルの動きをトラッキングするカメラセンサーなどがある。

LPTは非常に高い精度を持ち、IMUは安価で手に入りやすいなど、種類・機器ごとの特徴がある。

 

【Velocity Loss Cutoff:VLC】

挙上速度の低下によってセットを中断する方法。セット中の1レップ目に対して〇%低下やセット中のベストレップ(最も速度が速いレップ)に対して〇%低下、または絶対値としての例えば1.00m/sを下回ったら、などのように目的応じて設定する。VBTデバイスの多くで速度低下による警告を表示する機能がある。

 

【数値フィードバック】

挙上した速度情報が提示されること。挙上ごとに間髪入れず提示されるものを「リアルタイムフィードバック」と呼ぶのに対して1セット終了後に1セット分の情報が提示されることを「セット間フィードバック」という。音声によるフィードバックや画面表示でのフィードバックなどがある。

 

【Failure】

セット中にこれ以上挙上できないという状態。発音は“フェイリヤー”に近い。一般的に「つぶれる」と表現されることが多い。Failureまで追い込むことは、しばしばオーバートレーニングの原因となるが、VBTではFailureを避けることができるため、オーバートレーニングになりにくいというメリットがある。また、VLCによってFailureを回避することで遅筋化を防止できるという研究報告もある。

 

【目的別速度ゾーン】

最大筋力、加速筋力、筋肥大、パワー(筋力-スピード、スピード筋力)、スピードなどトレーニングによって向上させたい目的に対応する挙上速度の範囲。スクワット、ベンチプレス、デッドリフトなどの一般的なトレーニング種目に適応でき、コンセントリック局面の「平均速度」を用いる。

 

【オートレギュレーション】

挙上速度を基準とすることにより、トレーニング目的に対応した挙上重量を日々の体調の変化に合わせて自動的に調整すること。挙上速度と%1RMの関係はコンディションの変化によらず一定であるという研究結果に基づいている。

 

各語句の詳しい説明やVBT全体の基礎理論情報は下記をご参照ください。

書籍:VBTの理論と実践

セミナー動画:VBTベーシックセミナー