Velocity Based Training:Mean Velocity とPeak Velocityの違い
2019/12/03
指標とする速度の違いについて
Velocity Based Training:Mean Velocity とPeak Velocityの違い
今回はVelocity Based Training(以下VBT)を行う上で欠かすことのできないウェイトを用いたエクササイズにおける挙上の『速度』について詳しくご紹介いたします。
Mean VelocityとPeak Velocityの違い
添付のグラフは弊社スタッフの一人が速度のリアルタイムフィードバックを受けながら、足先は地面から離れないようにして全力でBack Squat(60㎏)を行った際にサンプリングした数値をプロットしたグラフです。
縦軸は沈み込みの深さ(m)と速度(m/s)、横軸は経過時間(秒)です。
緑色の点線が速度を表し、青色の点線がバーベルの変位を表しています。GymAwareは従来のサンプリング周波数という精度のコンセプトとは異なり、バーが300ミクロン(0.3mm)動いた瞬間の数値を記録していきます。この時の変位とそれに要した時間から速度を、速度の変化から加速度を、用いられた質量と加速度から筋力を、そして筋力と速度からパワーを算出しています。
VBTで使用される速度には以下の2種類があります。
Mean velocity(m/s) :平均挙上速度
平均挙上速度はコンセントリック局面中の速度を平均した速度のことです。
Peak Velocity(m/s):最大挙上速度
最大挙上速度はコンセントリック局面中にサンプリングしたすべての数値の中で1番速度が高かった数値のことです。
Mean Velocityは広く使われている
このうち、中・高負荷でトレーニングを行う際にはMean Velocityが用いられることが多く、その理由は、可動域全体にわたって力を発揮することが目的となっていることが多いからです。また、平均挙上速度と%1RMが対応することが研究で明らかになってきており、日々変動する1RMに対応した適切な負荷でトレーニングを行う際に平均速度は最適なターゲットになります。
高い速度が必要とされる場合はPeak Velocity
軽負荷でVBTを実践する際には、Peak Velocityを用いて爆発的に大きな力を立ち上げることを目的としてトレーニングすることが有効です。スクワットジャンプやクリーンやジャークやスナッチといったオリンピック・リフティング系の種目では、このPeak Velocityを用いてスピード・パワートレーニングを行います。
スクワットジャンプはMean Velocity とPeak Velocityの両方使われることが多い種目です。
この2種類の速度を使い分けることで、トレーニング目的やコンディションに合わせた最適なトレーニング効果が期待できます。
今回使用した機器(GymAware)はこちら
http://sandcplanning.com/solution/category/detail/?cd=1
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齋藤朋弥
エスアンドシー株式会社 営業・企画
JATI-ATI、スポーツパフォーマンス分析スペシャリスト、NSCA-CSCS
龍谷大学スキー部トレーニングコーチ
長谷川裕
龍谷大学スポーツサイエンスコース教授
スポーツパフォーマンス分析協会会長
日本トレーニング指導者協会名誉会長
エスアンドシー株式会社代表
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