VBTにおけるベロシティーカットオフの効果

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VBTにおけるベロシティーカットオフの効果

2019/11/25

ウエイトトレーニングにおけるスポーツ科学

VBTにおけるベロシティーロスカットオフの効果

Velocity Based Training(VBT)を進めていくための特徴的なトレーニング管理法に「Velocity Loss Cutoff(ベロシティーロスカットオフ)」があります。これは、ウェイトをそれ以上持ち上げられなくなるまで追い込むのではなく挙上速度が事前に決めた割合や値に達しなくなった時点でそれ以上のレップを継続せずにそのセットをただちに中断し、休息をとった後に再び設定した速度で新たなセットに取り組むというものです。神経-筋系の無駄な疲労を防止し、セッション全体の質を高めるために実施される手法ですが、速度低下の程度がトレーニングにどのように影響するか、については十分明らかになっていませんでした。今回のブログではこの問題に取り組まれた研究を紹介します。

 

J. Weakley, C.Ramirez-Lopez, S. McLaren, N.Dalton-Barron, D. Weaving, B.Jones, K. Till, H. Banyard

The effects of 10%, 20%, and 30% velocity loss thresholds on kinetic, kinematic, and repetition characteristics during the barbell back squat.(雑誌発行前Web掲載版、2019)
 

目的と方法

 

この研究では、バーベルバックスクワットにおける挙上速度低下の閾値を10%、20%、30%の3種類設定し、それぞれの挙上速度や発揮パワーや力の発揮に対する効果、および実際のセットの中身がどう異なるかが調べられました。

 

普段からウェイトトレーニングを実施しているイギリスの大学生ラグビー選手16名を対象とし、平均挙上速度がほぼ0.7m/sとなる重さ(平均115㎏、標準偏差22㎏)を用い、挙上速度がそれぞれ10%、20%、あるいは30%低下するまで反復するというセットを5セット行いました。これをランダムな順序で全員行いました。

ウォーミングアップの最後に0.7m/sとなるウェイト(誤差0.01m/s未満の範囲で)を見つけて1セット目はそれを用いましたが、2セット目からの最初のレップで0.7m/sよりも0.06m/s以上遅くなれば、さらに30秒休息をとらせ、それでも0.7m/sよりも0.06m/s遅くなるようであればウェイトを調整した上で新たなセットに取り組ませました。

 

結果

 

その結果、5セット全体の平均速度とパワーは、挙上速度が10%低下した時点でセットを終了した時が最も高く、0.66m/sと1341Wであり、20%低下した時点でセットを終了した際は0.62m/sと1246Wでそれに続き、30%低下するまで反復を継続した時は0.59m/sと1179Wとなりました。

下記グラフは各閾値ごとの平均速度と平均パワーを表したものです。

 

 

 

どのプロトコルでも5セットを通しての各セット間の差は極めて小さく、平均速度で-0.01~-0.02m/s、平均パワーで-14~-55Wで、これについては個人差もほとんどありませんでした。しかし、セット中の平均レップ数は、30%低下するまで反復を継続した時が有意に多く7.8回で、20%低下まで反復したセットでは6.4回、10%低下でセットを中断した際は4.2回と最も少なくなりました。さらに、1セット目から5セット目にかけてのレップ数の減少率は、挙上速度が30%低下するまで反復を続けた時は39%、20%低下まで継続した時は31%、そして10%の速度低下でセットを終了した時は19%でした。そしてこの低下率についての個人差は選手によって大きく異なりました。

 

結論

 

以上のことから、ベロシティーロスカットオフによって、挙上速度が何パーセント低下した時点でセットを終了させるかを決めることによって、トレーニング中に選手が発揮するスピードとパワーの低下率を指導者の望ましいレベルにコントロールできることが明らかになりました。また、従来の1RMのパーセンテージで負荷を決め、全員に一律の反復回数を課す方法では、速度とパワーの低下率に大きな個人差がでてしまうことも同時に明らかとなりました。

 

こうしたベロシティーロスカットオフによって、トレーニング効果に直接影響すると考えられるトレーニング(レップとセット)の質そのものをコントロールし、個人の「頑張り」だけに頼って実質的な個人差を見落としてしまわないようにするのもVBTの長所といえます。

 

 

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