【リバウンドジャンプテスト(RSI)を用いたコンディション管理】
2024/03/21
スポーツ科学を活用したモニタリング
【リバウンドジャンプテスト(RSI)を用いたコンディション管理】
本日は中長距離選手向けのコンディション管理方法やパフォーマンステストをご紹介いたします。
前回コンディション管理の方法としまして垂直跳び(カウンタームーブメントジャンプ)を用いた方法をご紹介いたしました。
http://sandcplanning.com/news/category/detail/?cd=110
今回は同じジャンプ種目でありながら、通常の垂直跳びとは異なる能力を測定・評価するための『リバウンドジャンプ』を用いた方法をご紹介いたします。
リバウンドジャンプは垂直に連続で跳躍します。この時、 なるべく短い時間で地面に接地し、すぐにできるだけ高く跳躍するように意識するようにします。得られた跳躍高をそれに要した接地時間で割ったものは "RSI" (リアクティブ-ストレングス-インデックス=反応筋力指数)と呼ばれる指数で、短時間の爆発的なパワー発揮を評価する指標として多くのスポーツに活用されています。
特に陸上競技では大切な指標であり、トップ選手はRSIが高い傾向にあります。RSIが高いということは、地面に接地している時間が短く、なおかつ高く跳べる状態であり、疾走の際に少ないエネルギーコストで効率よく進めるという、高いパフォーマンスを発揮できる可能性があります。これは短距離だけにかかわらず、長距離選手にも当てはまります。
(http://sandcplanning.com/news/category/detail/?cd=100)
これを用いて、コンディションの管理と、パフォーマンスの向上をモニタリングできます。
Enodeでは腰にウエストベルトを巻き、跳躍するだけで手軽にRSIを測定できます。
OUTPUTではセンサーを足の甲に専用のベルトで装着します。
(https://www.youtube.com/watch?v=BIRZs9grhC0)
RSI測定では連続したジャンプのうちRSIの最大値5回分の平均値を記録とすることが最も正確と言われています。
OUTPUTの10-5テストでは10回のジャンプの内上位5回の平均値が自動的にRSIスコアとして表示されます。
下記の画像はある選手が定期的に加速度センサーを用いて測定したデータをグラフ化したものです。
早朝時にしっかりアップをした後で、6回のリバウンドジャンプを3セット計測し、その中の一番高い数値をグラフ化しています。
コンディションの良い時と悪い時の差が一目でわかると思います。RSIが変動する原因は練習負荷や体調などがあげられます。
練習強度を下げず、練習量だけを下げた時にはパフォーマンスが最大化しています。
このように、定期的にRSIを測定していくことで、試合に向けたピーキングの確認やオーバートレーニング、怪我の予防に役立ちます。
注意していただきたいのは、RSIの測定はとても強度の高いものですにで、アップを十分に行わずに測定を行うと正確なパフォーマンスが測定できない可能性や怪我の恐れがあります。必ずアップを十分に行ってから測定を行い、異常があればすぐに中止するようにしてください。
齋藤朋弥
エスアンドシー株式会社 営業・企画
JATI-ATI、スポーツパフォーマンス分析スペシャリスト
龍谷大学スキー部トレーニングコーチ
長谷川裕
龍谷大学スポーツサイエンスコース教授
スポーツパフォーマンス分析協会会長
日本トレーニング指導者協会名誉会長
エスアンドシー株式会社代表